おおた・あり　タレント。１９８３（昭和５８）年２月２１日生まれ。神奈川県出身。２２歳。１６６センチ、Ｂ８２・Ｗ５６・Ｈ８４。大学在学中にモデルデビュー。０３年から「ＪＪ」（光文社）専属モデル。ＣＭ、グラビアのほか、「世界ふしぎ発見！」（ＴＢＳ）などテレビ出演も多数。また、スペインの名門サッカーチーム、レアル・マドリード公認映画「レアル・ザ・ムービー」（来春全国公開予定）では東京編のヒロイン役に大抜擢された。豪州ケアンズで撮影された最新ＤＶＤ「無意味姫～Ｐｒｉｎｃｅｓｓ　ＭＵＩＭＹ」（ポニーキャニオン）では、本編で文句なしの美女っぷりが、特典映像で無邪気な素顔が、はじける。「お気に入りは砂浜のシーン。撮影中、偶然海に虹が架かったんです」

【クールな表情でも素顔は虚実ないまぜの…】

　オオタアリにダマされるな！


　「時刻表検定の３級を持ってます。昔から鉄道は大好きで、取るのは簡単でした。好きな路線は京急（京浜急行）。他の路線よりレールが太い（？）ので、同じ時速でもＪＲよりだいぶスピードが出てる感じがするんです」


　３日発売されたＤＶＤ「無意味姫」で、意外な趣味を熱く語るアリ。だがその後、これが真っ赤なウソだと知らされる。


　「国立科学博物館で一緒に学芸員の実習をした鉄道マニアの東大生に、京急について聞いたときのことを思いだしてしゃべりました」


　本人はあっけらかんと話すが、台本なしのアドリブとは恐れ入る。


　ファッション誌やＣＭで見せる、美麗かつクールな表情にもダマされてはいけない。素顔のキャラはかなり濃いめだ。


　「昔はもっと変わった感じだった。これでもだいぶまともになったんです」とはマネジャー氏。


　「中学生まで『太田アリス』と名乗って生活してました」


　このウソみたいな話はホント。


　「（虫の）アリ、アリってからかわれるのが嫌で、転校した小学校３年生のときから、『在』と書いて『アリス』に変えたんです。中学の卒業式でも校長先生が『太田アリス』って呼んでくれたし。高校から『アリ』に戻したけど、地元の友だちには今でも『アリス』って呼ばれてます」


　「在」というユニークな名前は、母親が平安の歌人、在原業平からとって名づけた。


　「在原業平がどんな人か知って（かなりのプレーボーイ）、オイオイお母さん、どんな娘に育ってほしいのかって－」


　どうやらぶっ飛んだキャラは遺伝らしい。



【キャリアウーマンめざすも挫折】


　高校時代は人気投票でもトップに輝く売れっ子の読者モデルだったが、「交通費くらいしかもらえない。モデルは稼げないから、キャリアウーマンになろう」と唐突に一念発起。猛勉強に励み、「レベルも知らずに中央大法学部とか明治とか受けまくって」、東洋英和女学院大に合格した。


　「先生は『まさか四大（四年制大学）に受かるとは－』って泣きそうになってた。地道に勉強して受かった子は『何でアリと同じ学校なの～？』って（笑）」


　入学後は学芸員や図書館司書、日本語教員（取得中）など資格取得に励んだが、バイトでダメ人間ぶり？を痛感する。


　「パン屋で働いたら、パンの値段も名前も全然覚えられなかった。脳みそが煮立っちゃいそうで、こりゃキャリアウーマンは無理だな、と」　そして大学２年の夏、再びモデルの道へ。


　「ほかの仕事だと、早く終わらないかって時間ばかり気にしてたけど、モデルは全然そんなことなくて。やっぱりこの仕事が好きだったんだな～って思いました」


　それからは本人いわく「オーディションの嵐」の日々。モデルから男性誌グラビア、バラエティー番組、「セサミストリート」（テレビ東京）のお姉さん、そしてスペイン映画のヒロインと、活躍の場は急速に拡大するが、気負いはない。


　「どの仕事も素のまま自然体で。来た仕事はキャリアウーマンとパン屋以外は何でもやります」


　実と思えば虚。虚と思えば実。ウソつきの才能は女優向き（？）だが、思いもよらぬ分野でブレークする予感も。そうしたら再び叫ぶだろう。


　「オオタアリにダマされた！」